巨人高橋由伸監督(42)が泰然と大逆襲をかけた後半戦に挑む。14日、全セ・リーグのコーチとして球宴第1戦の開催地、名古屋に入った。前日13日に後半戦に向けての首脳陣刷新が発表。斎藤2軍監督が1軍投手コーチに、尾花投手コーチがブルペン担当に回った。シーズン途中の異例の配置転換を受けて、指揮官は「与えられたものでやるのが基本だから」と冷静だった。

 斎藤2軍監督とは、すでに電話で連絡を取り合い、共闘を誓った。期間は長くないが、現役生活もともにしている。“平成の大エース”と称された投手斎藤のすごさを肌で知っている。菅野が開幕序盤に3試合連続完封を成し遂げた時に肩を並べられた斎藤2軍監督の数字に興味を示した。

 「斎藤さんは、その時に11試合連続完投勝利なんだよね? どういう内訳なの?」と記者のスマートフォンをのぞきこんだ。すべて9回自責点2以下での投球内容に感嘆の声を上げるしかなかった。「時代はあるけど1人で投げ抜くのはすごいこと」。不変のリスペクトが根底にある。

 チームはブルペン担当だった田畑投手コーチを広島専従のスコアラーに据えた。「データがすべてじゃないけど、数字として(苦戦ぶりが)出ているのも事実。手を打っていかないとというのはある」。首位広島との差はあるが、3勝11敗の天敵を下さなければ光は見えてこない。チームを束ねるリーダーとして静かに後半戦の幕開けを待つ。【広重竜太郎】