167センチの小さな体が、夢舞台のマウンドで躍動した。プロ入り9年目で初めて球宴に出場した全パの日本ハム谷元が、5回の1イニングを3者凡退に仕留めた。「何とか抑えられてよかったです。ホッとしました。オールスターならではの応援もあって、楽しかったです。心地いい緊張感でした」。自然と笑みがこぼれた。

 初球は140キロの直球で入ったが、3球目にはカットボール。2死から中日大島はカーブで打ち取った。「いろいろなボールを投げないと抑えられないんで」。シーズン中同様、表情を変えずに淡々と投げ込んだ。練習中もマイペースに調整。「人見知りなので」と笑った。

 三重出身で、大学は愛知の中部大。地元での晴れ舞台に、両親や親戚など12人の応援団がスタンドに駆けつけた。「出ると決まったときから、いろいろな方に『おめでとう』と言われた」。晴れ姿を見せることができた。