全セの先発を務めた中日ラウル・バルデス投手(39)が規格外のタフネスぶりを発揮した。初回、2球目に秋山に先頭打者本塁打を浴びた。出ばなををくじかれたが、2回を2安打1失点に抑え、2奪三振。持ち味のテンポのいい投球で打ち取っていった。

 39歳7カ月での初出場は最年長。それなのに12日の前半戦最終戦の阪神戦に登板し、中1日で初めて日本の球宴のマウンドに上がった。「本拠地のナゴヤドームでの球宴の先発で投げさせてもらったことに感謝している。休みは少なかったけど、感覚は良かった。なかなかないが(シーズン中でも)そう言うことがあればまたやります。そのために日本に来ているからね」と笑顔だった。

 ベンチでは後半戦開幕の17日に対戦する巨人坂本勇に「次の試合に投げてくるの?」と取材されたという。バルデスは「まだ言われていないから分からない」とかわしたが、心は決まっている。「巨人戦の初戦も先発でいけるよ」と頼もしい一声だった。

 仕事はまだある。今日15日は千葉に移動し球宴2戦目。例年、球宴休みに子どもたちを東京ディズニーランドに連れて行っていた。今年は「球宴にも、ディズニーランドにも両方行けるだろ」とニンマリ。16日には家族サービスに力を入れるつもりだ。「本当は32歳なんだけどね(笑い)。来年も日本でプレーしたい。あと15年はプレーするよ!」。働き者のバルデスおじさんは健在だった。【宮崎えり子】