セ・リーグ最多得票の鳥谷敬内野手(36)が御礼安打で沸かせた。

 阪神鳥谷が堅実な守備と快音で、セ・リーグ最多得票への感謝を体現した。4回裏から途中出場して三塁守備へ。1点ビハインドの6回無死一、二塁では日本ハム・レアードの三ゴロを難なくさばき、三→二→一の併殺を完成させた。球宴では初となる三塁での守備機会を終え、「いい思い出になりました。(球宴出場は)最後になるかもしれないんでね」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

 打っても貫禄の1安打を決めた。7回1死でロッテ二木を迎え、1ボールからの2球目、外角142キロ直球を軽やかなスイングでミート。ライナーで中前に運び、14年、15年に続く球宴出場3年連続でHランプをともした。「いつも通りのプレーしかできないんで…」。普段通りの打撃を謙虚に振り返ったが、これで直近の球宴6試合のうち5試合で安打を記録している。

 無安打で守備機会もなかった前日14日は「目立ちたくないんで」と冗談めかしていたが、今年も堂々と存在感を示した形。三塁転向1年目の36歳シーズン、絶不振に陥った昨季から復活した姿を全国各地に見せつけた。【佐井陽介】