今年のナオくんはやるぞ! ソフトバンク東浜巨投手(27)が7回2/3を1失点に抑え、楽天則本と並ぶハーラートップタイ、自己最多タイの9勝目を挙げた。低めへの丁寧な投球で西武を料理。「鷹の祭典」初戦の白星を呼び込んだ。打っては球宴MVPコンビのデスパイネが同点弾、内川が決勝打。投打のかみ合った快勝で首位楽天に1ゲーム差に迫った。

 東浜が決め球シンカーではなく、この日はスライダーで西武打線を手玉に取った。「今日はスライダーの制球がよかったので、拓也(甲斐)と話をしてシンカーよりスライダーを軸として投げました」。試合中盤からは、カットボールを増やし、的を絞らせなかった。

 1点リードの8回、無死二塁のピンチもメヒア、外崎をいずれもスライダーで空振り三振に奪った。嘉弥真、サファテと継投になったが、8回途中までしっかり試合をつくった。今季15試合先発し、16年の自己最多に並ぶ9勝目。則本に並びハーラートップに立った。

 昨年も後半戦の開幕投手に選ばれた。だが、楽天打線に打ち込まれ3回2/3、7安打3失点でKO。その後、チームは日本ハムに逆転優勝を許した。「絶対にそれはしないように」と心に決めてマウンドへ登った。

 チーム一番の汗かきだ。この日のヤフオクドームは冷房がきいていたが「涼しくても暑くても関係なく汗が出るんで。今日は初回からスタンドが満員で熱気もあった」。この日は毎年恒例のイベント「鷹の祭典」初日。配布されたユニホームでスタンドは赤いストライプの白いユニホーム一色となった。

 次回は自身初の2桁勝利がかかる。「気にしないようにと思っても気にしてしまうが通過点。離脱が一番よくないので、(シーズン)最後まで投げられるように」と、先発の柱の自覚は十分だ。9勝、防御率2・38、98奪三振はいずれもチームトップ。安定感も存在感ももはやエース級だ。「僕がこうやって投げているあと何年かのうちに、沖縄で試合をやってほしいんですよね」。ソフトバンクは過去に沖縄での公式戦がない。入団5年目の今季、ようやく自分の投球ができてきたのか、故郷沖縄での公式戦開催の希望を口にした。ここから、さらに暑い夏を迎える。汗っかきの東浜が2年ぶりの優勝まで引っ張る。【石橋隆雄】