ソフトバンクのリック・バンデンハーク投手(32)が15年から続く本拠地ヤフオクドームでの連勝記録を12に伸ばし、球団新記録を樹立した。6回1失点の好投で今季8勝目。5回まで無安打投球を続けるなど、毎回の11奪三振で、03年に斉藤和巳がマークした11連勝の球団記録を塗り替えた。チームも「鷹の祭典」で連勝を飾った。

 勝てば球団新記録というプレッシャーをはねのけ、バンデンハークが序盤から飛ばす必死の投球で、93年の開場以来、25年の歴史がある本拠地ヤフオクドームで球団の歴史にその名を刻んだ。球場が真っ赤に染まった「鷹の祭典」での大舞台。ファンとの一体感を味わいながら快投を続けた。

 「今日は直球を低めに集められ、どんどんストライクゾーンで勝負ができた。調子がよく、攻めの投球ができた。記録はとても光栄なこと。チームメートのおかげ。チームが勝ったことがうれしい」

 15年の来日以来、本拠地では16試合12勝0敗、防御率2・62。ポストシーズンも含めれば無傷の15連勝だ。硬いとされる本拠地のマウンドは17歳から米国でプレーしていた男にとって相性抜群だった。

 前回6月25日の登板では同じ西武相手に6回5失点。2点ビハインドの中、降板したが、福田の逆転サヨナラ弾で命拾いした。本拠地で負けない理由を聞かれると「理由は分からない」と首をかしげ「いつも同じ準備をして試合に臨んでいる。1つも負けたくないのはホームでも敵地でも同じ。ところで何かもらえるの?」とおちゃめに笑った。

 来日3年目。オールスター休みにはアナ夫人と京都に出かけ、金閣寺、伏見稲荷、清水寺、嵐山を観光してリフレッシュした。工藤監督も「本人も自信を持って投げていた。ここで投げたら負けないんだという強い気持ちを持って投げている」と絶賛した。後半戦も頼れる投球でチームを逆転Vへと導く。【福岡吉央】

 ▼バンデンハークが本拠地ヤフオクドームで今季4勝目。これで同球場では来日初登板の15年6月14日広島戦から12連勝で、03年斉藤(ダイエー)の11連勝を上回る新記録となった。ちなみに52年のフランチャイズ制以降のチーム記録では、大阪球場を本拠地とした南海時代に、66~67年皆川が12連勝、67~69年村上が15連勝している。