NTT東日本(東京都)が日本通運(さいたま市)を10-4で破り、電電東京時代の1981年以来36年ぶり2度目の優勝を果たした。打線が4本塁打を含む11安打と爆発。4-4の7回に下川知弥内野手(24)が勝ち越しの3点本塁打を放ち、9回にも3点を加えて突き放した。打率5割5分の福田周平内野手(24)が橋戸賞(最優秀選手賞)に輝いた。

 下川が値千金の1発を放った。4-4の7回。真ん中付近へ甘く入ったフォークを捉え、左中間席へ決勝3点本塁打。「本塁打を打てる打者じゃない。とにかく来たボールに対して、コンパクトに振ろうと思っていました」と振り返った。

 駒大4年時に神宮大会で優勝し、野球人生2度目の日本一。「大学の頃とは背負っているものや期待が全く違いました」。一塁側内野席から右翼席まで埋め尽くした大応援団が、大歓声で打球を後押しした。

 昨晩はなかなか寝られないほどの緊張があったが、チーム最年長の北道貢外野手(35=駒大)から「いつもやっていることをやればいい」という助言を意識して、冷静になれた。「大学の大先輩で、入団した時に背番号1を譲ってもらいました。北道さんやほかの先輩からの助言で楽に打席に入れた」と話した。

 昨年、トヨタ自動車に準々決勝で惜敗してから、本気で日本一を意識するようになった。4本塁打を含む11安打、10得点の圧勝。就任4年目で頂点をつかんだ飯塚智広監督(41)は「やってきたことがこんな形で表れるなんて幸せ」と感無量の表情だった。