日本ハムが珍しい形で、サヨナラ勝ちした。7-7の延長11回裏。1死一、二塁の好機で、ロッテ松永が二塁へけん制球を放ったが悪送球。遊撃手の三木のグラブをかすめたことで送球の方向も変わり、中堅手の荻野もカバーできなかった。ボールが中堅フェンスへ転々とする間に、代走岡が歓喜のホームを踏んだ。両軍合わせて7本塁打は札幌ドームでは最多タイの乱戦だったが、思わぬ形で決着した。

 予想外の幸せな結末を呼び込んだのは大谷だ。1点を追う7回裏先頭。初球の内角低め、145キロ直球を右翼席中段へ運ぶ同点5号ソロを放った。直前の7回表は1点リードの場面でルーキー堀が逆転を許していた。「プレッシャーもあったと思う。悔しかったと思うけど勝てたことが良かったし、堀にとっても良かったと思う」。西川の6号満塁本塁打などで奪った最大4点リードをひっくり返されたが、たった一振りで不穏な空気を振り払った。

 栗山監督も、うなった。「翔平のホームランで(堀の初黒星も)消えた。やっぱり物語がある」と、価値ある放物線をたたえた。大谷の後輩を救う同点アーチから今季4度目のサヨナラ勝利で3連勝を飾った。【木下大輔】