大熱投でAクラス再浮上に片手をかけた。巨人のエース菅野智之投手(27)が、3位DeNAとの直接対決初戦を制して自己最多の14勝目を挙げた。コンディション不良から8月26日の登板を回避し、中12日で挑んだ先発マウンド。7回115球で6安打2四球を許したが、無失点で粘り抜いた。試合は9回途中降雨コールド。DeNAとのゲーム差を、明日3日にも逆転可能な1・5差に縮めた。

 耐えて、粘って、菅野がいばらの道を切り開いた。2回の無死一、二塁を抑えた直後、3回には1死満塁のピンチに襲われた。中12日の先発マウンドは逆球が目立ち、直球もスライダーも高めに抜ける。苦しい時こそ「調子は見ての通りでした」と客観視した。ロペスと宮崎には丁寧な外角勝負。遊飛と二ゴロで切り抜けた。上空には一塁から左翼方向へ強風が吹いている。右打者には引っ張りを防ぎ、筒香ら左打者には強気に胸元を突いた。状況を読み、最善策を貫いた。

 調子不問で結果を出す。5回は打者3人の15球中、8球にカーブを選び3者凡退。「直球とスライダーを意識される中、(小林)誠司が考えてくれた。球種が多い強みを生かせました」と最後は筒香からカーブで空振り三振を奪い、マウンドに仁王立ちした。「調子が悪いときにいかに切り抜けるかです」。プロ5年間の集大成をつぎ込み、自己最多の14勝目に到達した。