総力戦にケリをつけたのはソフトバンク松田のバットだった。延長戦にもつれ込んだ11回表。先頭デスパイネが右前打で出ると、すさず送って1死二塁。松田に打席が回ってきた。

 「大事なところで打ててよかった。追いつかれても勝ち切れたし、これからもマジックを減らしていきたい」。詰まりながらも左前に運ぶと、代走本多が二塁から懸命に走り、本塁へヘッドスライディング。4時間超のロングゲームで貴重な1点を挙げると、最後は守護神サファテがきっちり締めてマジックを1つ減らした。

 もつれた試合だが、打線には光明があった。初回。1死一、三塁から柳田、デスパイネの連続タイムリーで2点を先制。3回には3番中村晃が内角低めの直球を技ありの一打で右翼ポール際に運ぶ中押し4号ソロを放った。ここまで4連勝と着実に白星を積み重ねてきていたが、打線は今ひとつつながりを欠いた。特にクリーンアップ3人が打点を挙げたことは今後の戦いには大きな収穫となった。「粘り強くよく打ってくれたね。本多君もすばらしいスライディングでね。今日はあれかな」。試合後の工藤監督も打線の粘りを真っ先にたたえた。これで5連勝。Vカウントダウンへ足踏みはしない。【佐竹英治】