阪神藤浪は土俵際で粘れず、4回4四死球5失点で降板した。首位広島との決戦を意識し、あえて中8日まで間隔を空けて投入された3連戦初戦。ゲームを作れないままマウンドを下り、試合後は厳しい表情だ。

 「勝負にいっての四球だった。無駄な四球だとは思わないけど、結果的に失点につながってしまったので…。打たれたのも全部2アウトからですしね」

 四死球から崩れたことが悔やまれる。1回は1番田中に四球を与え、2死二塁から4番松山に先制2ランを献上。初球の内角低めカットボールをすくわれ、右翼ポール際中段まで運ばれた。1点リードをもらった直後の3回裏は1死一塁から2番菊池にストレートの四球、3番丸は追い込みながらも死球をぶつける。1死満塁から内野ゴロの間に同点とされると、5番安部には2死二、三塁から外角低め155キロで左前に勝ち越し2点打を運ばれた。

 150キロ台の直球を随所でコーナーに決め、4三振を奪った。四球にしても四隅を突いた結果、際どいゾーンがボール球と判定されて苦しんだ影響も感じられた。制球難から大崩れしたわけではないだけに、金本監督も「ボール自体は悪くない。向こうの打力が上回ったという見方しかない」と振り返るしかない。

 9月。勝ち負けがシーズンの行方に直結する季節がやってきた。納得のいかないマウンドを、次回に引きずっている暇はない。苦しんだ17年レギュラーシーズンも残り1カ月。今度こそ、藤浪の底力が見たい。【佐井陽介】