壮大な夢を持ち、プロの扉を開く。早実(西東京)清宮幸太郎内野手(3年)が22日、早実の先輩で尊敬するソフトバンク王貞治会長(77)の通算868本塁打を目標に掲げた。この日、東京・国分寺市の同校で会見を開き、プロ志望届を提出することを表明。史上最多の高校通算111本塁打を放ったスラッガーは、世界記録への挑戦を夢に描いた。将来的なメジャー挑戦の意思も表明。歴代最強のアーチストを目指す。

 50社130人の報道陣が集まった会見、清宮は理想とする選手を聞かれ、早実&プロ野球界のレジェンドの名前を挙げた。

 清宮 やはり、早実の先輩である王貞治さん。いずれは868本を目指せるような選手になりたい。王さんの記録は目標となる数字なのかなと思います。

 カメラの無数のフラッシュを浴びながら、高校通算の本塁打記録を塗り替えた男は、堂々とプロ通算868本塁打の世界記録を目標に掲げた。

 早実のユニホームを着た時から、大先輩の背中を追い続けた。OB総会などで対面し、王氏のプレーを映像で見続けた。プロを目指す今、憧れから明確な目標に変わった。「早稲田の先輩ですしむしろ目指さなきゃいけない使命感がある。やるからには王さんのような人間、野球人になりたい」と決意を込めた。

 将来的なメジャーへの夢も語った。「夢はメジャーで活躍すること。そこは変わっていません」と話した。簡単に挑める世界ではなく、挑戦に向けたハードルは高く設定。1年目から「1軍で活躍できるに越したことはないです」と即戦力を意識した。「自分の夢、目標」とプロ野球での本塁打王を直近の目標に挙げ、「日本でずばぬけた活躍をしたい」と意気込んだ。

 カナダでのU18W杯から帰国後、野球で勝負すると覚悟を決め、プロ志望届提出を決断した。「大学へ行くにしろ、自分の夢はプロ野球選手。野球に集中できる環境ということでプロを選んだ」と話した。ラグビー・ヤマハ発動機で監督を務める父克幸氏(50)らとの家族会議を経て、自らの意思を貫いた。

 最善の環境に身を置くために、調査書を提出した球団との面談に興味を示した。「志望届を出してから、お話ができるということなので、その辺はしっかりやっていければ」と話した。報道陣から「全球団OKなのか」と聞かれ、「自分を厳しく指導してくれて、成長させていただける球団に行きたい」と話した。壮大な夢、大志を抱き、清宮が近日中に志望届を提出する。【久保賢吾】