まさかの7失点KO。ふがいないソフトバンク千賀の投球に工藤監督は怒り心頭だった。「打者と戦っている感じには見えなかった。体で気になるところはないと言っていた。今日の投球は残念。一番大事なのは戦う姿勢」。

 すでに13勝を挙げ勝率は8割を超え最高勝率のタイトルは狙えた。だが、千賀は規定投球回を優先。この日の先発を含めあと2試合で12イニングを投げ、シーズン規定投球回(143回)に到達することを目指した。

 初回、先頭に四球を出し2失点。3回にはウィーラーに30号3ランと序盤で6失点。それでも、工藤監督の親心で6回まで続投した。工藤監督は「そこ(規定投球回)も正直ある。このままあと1回投げさせていいのか悪いのか。次の投手のことも考えないといけない」と、次回の最終登板を回避しCSへの調整へ専念させる可能性も示唆した。

 千賀は「こんな展開になってしまい申し訳ない。修正できなかった。情けない」と肩を落とした。勝率は7割6分4厘、防御率は2・56と悪化。タイトルは厳しくなってきた。日本一奪回には千賀の右腕は欠かせない。自らの手で不安を拭い去るしかない。【石橋隆雄】