頼みはメッセだ。右足腓骨(ひこつ)骨折からの復帰を目指す阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)が25日、甲子園ブルペンで“CSデモ投球”を披露した。骨折後初めて投球をチェックした金本知憲監督(49)は「思ったより(回復が)早い」とビックリ仰天。先発の台所事情が苦しい中、10月14日に開幕するCSファーストステージでの先発に向け、指揮官もうれしいGOサインだ。

 首脳陣が慌ただしく動きだしたのは午後3時のことだ。金本監督はDeNA戦前の打撃ケージ裏で、フリー打撃をチェックしていた。そこに杉本チーフトレーナーが駆け寄り、会話を交わす。うなずいた指揮官はすぐさまブルペンへ歩を進めた。矢野作戦兼バッテリーコーチ、香田、金村両投手コーチも一斉に同じ方向へ歩き始める。甲子園を訪れたメッセンジャーのブルペン投球が始まるタイミングだった。

 金本監督 良かったよ。ボールは90%ぐらいかな。思ったより(回復は)早いね。

 指揮官は投球を視察後、驚きを隠さなかった。右足腓骨(ひこつ)骨折後、3度目となるブルペン入り。金本監督が大黒柱の投球をチェックするのは8月10日に負傷して以来、初めてのことだ。これまではCSファーストステージでのメッセンジャー先発に向けて慎重なコメントを続けてきたが、実際に投球を目にしてついにGOサインを出した形となった。

 今回の甲子園ブルペン投球は予定通りだという。メッセンジャーも“デモンストレーション投球”で患部に問題がないことを1日も早くアピールしたかったのだろう。香田投手コーチはCS先発については「ゲームに投げてからでしょう」と話すにとどめたが、「まだリハビリの途中にしては、普段と変わらない投球をしてくれた」とも説明。1軍首脳陣も状態に納得したことで、今後はCS先発プランへ一気に加速していくことになりそうだ。

 まずは明日27日ウエスタン・リーグ広島戦(甲子園)で実戦復帰を予定。先発で1、2イニングを投げ、状態に問題がなければ、次は10月5日からの1軍中日2連戦(甲子園)での調整登板が見込まれる。2試合でマウンドの感触を確かめ、いざCSファーストステージへ。台所事情が苦しく、CS先発枠争いが混沌(こんとん)とする中、頼れる男の存在感が増してきた。【佐井陽介】