DeNAは勝てなかった。だが、負けなかったことで、16年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた。収穫はハマの虎キラーがまたしても、力を発揮したこと。浜口遥大投手(22)が5回2/3を6安打3失点。1点リードで、勝利投手の権利を得て降板した。9回に山崎康が追いつかれ、浜口の10勝目は泡と消えたものの「すごく内容のある試合だったと思う。全体的によかったし、しっかりと制球できていた」と好感触だった。

 それだけに1球を悔やんだ。5回まで無失点投球も、6回につかまった。1死一塁で相手は糸井。高めの直球が、甘く入ってバックスクリーンに運ばれた。「打たれた1球は失投。打たれてから切り替えられないでいってしまった」。四球で出塁させ、3点目の適時打を許したところで降板。「四球でズルズルいってしまった」と反省を忘れなかったが、これで阪神戦は5戦3勝負けなしと、不敗記録を伸ばした。

 2桁勝利のラストチャンスも残っている。新人左腕の2桁勝利は、球団では58年鈴木隆以来59年ぶりの快挙。新人王の有力候補にもなれる。中5日で10月3日中日戦での先発が有力。「今はCSに出ることしか考えていない。自分の成績は二の次。勝てるように調整したい」。そのためにも次の1勝が大事になる。【栗田成芳】

 ▼DeNAは69勝63敗5分けで、残り6試合すべて敗れても勝率・500と、負け越しを回避。DeNAのシーズン勝率5割以上は、01年以来16年ぶり。