土壇場で追いついてくれた仲間にソフトバンク千賀は感謝した。1点を追う9回2死二塁。上林の打球が右翼手の前ではねた。同点。13勝4敗で勝率7割6分5厘をキープ。東浜に行きかけていた勝率第1位の座が転がり込んだ。「情けない投球だったが、皆がつないで点をとってくれて感謝のひと言です」。チームメートにペコペコとお辞儀を繰り返した。

 昨年、最多勝の和田から「表彰式に行ったら来年のモチベーションになるから絶対に取った方がいい」と聞かされた。「1年間目標にしてきた規定投球回にもたどり着けたし、ないと思っていたタイトルが手元にいきなり来て、うれしい気持ちと不思議な感じ」と目を見開いた。

 登板回避の選択肢もあった中、タイトルよりもCSへの調整を優先した。6回9安打3失点。「今日もやられたみたいなものだが、CSに向けてしっかりできるようにしたい」と前を向いた。規定投球回とタイトル。2つの勲章を自信にかえ、CSのマウンドに上がる。