屈辱のシーズンに別れを告げる。みやざきフェニックス・リーグに参加している阪神藤浪晋太郎投手(23)が25日ヤクルト戦(西都)に先発することが判明した。レギュラーシーズンまさかの3勝と苦しんだ右腕にとって今季ラスト登板となる可能性もある。重要な一戦だ。

 頭の中はスッキリと整理されていた。予定されていたこの日の巨人戦(宮崎アイビー)は台風21号の影響で午前中に中止が決定。藤浪はキャッチボールやウエートトレーニングなどして汗を流した。練習中も時折笑顔を見せるなどリラックスした表情だった藤浪は、2つの明快なテーマを口にした。

 藤浪 自分の中ではフォームのバランスとリリースの感触を意識したい。そこが安定すれば投球の幅とかも出てくると思うので。

 ポイントは安定感だ。高橋2軍投手コーチは「(どんな投球をしても)気持ちよくは終われない。今シーズンに関しては煮えたぎる思いがあるだろうから」と気持ちを代弁。25日は「ストライク率を意識してほしい。四死球を出さない。彼にとっては重要」と、課題を掲げた。

 宮崎から緊急帰阪した17日のCSファーストステージ第3戦で6回から救援登板。2イニングを1安打無失点に抑えた。地鳴りのような甲子園の声援は、藤浪に対する期待の大きさに違いない。修練のために再び訪れた宮崎の地。ここを再スタートの場所にする。【桝井聡】