プロ野球ドラフト会議が今日26日に開催される。BCリーグ新潟の2選手には、球団初の支配下登録選手指名の期待がかかる。左サイドの渡辺雄大投手(26)と主砲の纐纈英騎(こうけつ・としき)内野手(23)だ。3年目の纐纈は4番に座り、打率3割5分1厘、9本塁打と自己最高成績を残した。ともにセ、パ複数球団がリストアップ。人事を尽くした今、運命の時を待っている。

 纐纈の表情には一点の曇りもない。「すがすがしさでいっぱいです」。3年目の今季、「出し尽くした。やり切った感じがする」と個人成績には満足した。打率3割5分1厘、55打点は過去2年を上回った。9本塁打も昨季と並んで自己最多。「目標にしていた」というキャリアハイで終えた。

 リーグ戦後も勢いは続いた。9月、BCリーグ選抜に加わってのNPBファーム戦に参戦。DeNA、ロッテ、巨人との4試合で15打数5安打2本塁打。11球団のスカウトが見守る中、自慢の打力を披露した。ドラフト直前で「纐纈株」は急上昇。セ、パ4球団から調査書が届いた。

 周囲が注目する中、纐纈は「プロを目指すのは今年が最後」と決めている。10月に入り、岐阜の実家に里帰りした。愛工大名電(愛知)で内野手として活躍し、野球の師でもある父諮郎(しろう)さん(50)から「俺の人生も一緒に歩いてくれてありがとう」と言われた。山手小2年で野球を始めてから美濃加茂高(岐阜)までコーチとして同じチームに所属した父に、覚悟は伝わっていた。

 だから「指名されればうれしい。されなくても悔いはない」と心は澄み渡っている。「自分の人生が決まる日。楽しみです」。笑顔でその瞬間を待つ。【斎藤慎一郎】

 ◆纐纈英騎(こうけつ・としき)1994年(平6)3月28日生まれ、岐阜県出身。美濃加茂から愛知学院大に進学し、2年時に中退。15年にBC新潟に入団。今季は一塁、三塁、遊撃、左翼を守った。180センチ、90キロ。右投げ左打ち。