ソフトバンクにドラフト1位指名された鶴岡東(山形)の吉住晴斗投手(17)が1日、鶴岡市内の同校で指名報告会を行った。約730人の生徒を前にプロ入りの抱負を語り、早期1軍入りの目標を掲げた。吉住の他にも仙台大(宮城)の馬場皐輔投手(22)が阪神にドラフト1位指名されるなど、東北からは高校生7人、大学生4人の計11人(育成6人含む)が指名された。

 堂々と胸を張って歩いた。吉住は吹奏楽部による「いざゆけ若鷹軍団」の演奏を背に入場し、登壇した。30秒ほどの決意表明を行うと、全校生徒から拍手喝采を浴びた。

 吉住 少し緊張した。自分のためにやってくれてありがたい。小さい頃からの夢はかなった。早く1軍に上がりたい。

 早期1軍入りを狙うのには理由があった。吉住がソフトバンクに1位指名されたことで、山形の高卒プロ(支配下)入りが6年連続に伸びた。「ずっと山形出身の先輩たちがつないでくれていた。自分の代で途切れさせたくなかった」。ポジションも年齢も違うが、同郷の先輩には簡単に負けてられない。

 1日でも早くマウンドに立つ。この日の指名報告会が行われた時点で、日本シリーズはソフトバンクが3連勝していた。「テレビで見ています。ヤフオクドームで自分が投げる姿は今でも想像できないけど、将来は絶対にあのマウンドで投げる」と意気込む。

 “外れ外れ外れ1位”とはいえ、ソフトバンクは吉住の将来性を見抜いていた。自身2連覇を狙った今夏の山形大会は3回戦敗退だったが、スカウトのスピードガンでは自己最速を2キロ更新する151キロを計測していた。佐藤俊監督(46)は夏以降も成長を続ける吉住を見て「後ろで投球を見ていて、怖くなるぐらい」と驚きを隠さなかった。無限の可能性を秘めた吉住が、若鷹軍団を支える日は近い。【高橋洋平】