ギータがV2へ向け、この秋も徹底的に走り込む。2年ぶりの日本一から一夜明けた5日、ソフトバンク柳田悠岐外野手(29)が11日から宮崎秋季キャンプに合流し、昨秋同様に走り込みメインで鍛える考えを明かした。来季30歳を迎え、相手のマークも厳しくなる中、今秋の蓄えを元に今季以上の好成績を目指す。この日は地元FBS福岡放送の「夢空間スポーツ」に生出演した。

 日本一の美酒が最高だと知っているから、柳田は早くも来季へ意識を向けた。前夜は「このために1年やってきた」とビールかけで大暴れ。日付が変わった午前4時前にヤフオクドームを出て、さらに午前6時まで祝勝会で騒いだ。そこから「爆睡」して起きると、すでに視線の先に18年シーズンを置いていた。

 11日から宮崎秋季キャンプに合流する。今年も若手に交ざって走り込む。「ランニングは全身運動なのですごく大事。昨秋やりきった。あれだけやったというのもあった。いい形で今季を終われた」。打率3割1分、31本塁打、99打点で日本一にも貢献した。

 成功体験だけでなく、苦い経験があるから自分を追い込める。トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成した15年のオフに右肘を手術。練習できずに16年は成績を落とし、優勝も逃した。ルーキーでプエルトリコのウインターリーグに参加した11年オフには、その後に休み過ぎて2年目のキャンプで練習についていけず苦労した。「来年、優勝を逃したチームは練習をしてくる。こっちも気を引き締めてやらないと。やれることをやって、今年よりいい成績を。向上心がないとダメ」。2年ぶりの日本一にも慢心はない。

 今年も完走できなかったという悔しさもある。昨季は9月に右手薬指を骨折して離脱。今季もリーグ優勝決定後に右脇腹を痛め20日間戦列を離れた。「だいぶ休みました。オフをもらっているので」。右脇腹はもう完治していると言い、「来季はもっとパワーをつけたい。家族サービスもするけれど、とりあえずトレーニングはずっとやります」と秋季キャンプ後は無休宣言だ。

 「日本シリーズはおもしろかったが、最後の方はもう終わってくれと思っていた」。1番打者として優秀選手に選ばれたが、「長いシーズン1番を打つのはしんどい。すぐ飽きちゃうから」と来季1番固定は望んでいない様子。DeNAとの激闘の疲れを取り、リフレッシュして10日キャンプ地の宮崎に入る。【石橋隆雄】