阪神2年目竹安大知投手(23)と高卒新人才木浩人投手(18)が、早くも初の春季キャンプ1軍発進を内定させた。高知・安芸キャンプ第1クール最終日の5日、紅白戦で先発競演。竹安は最速145キロの真っすぐを主体に3回を無失点にまとめた安定感が光り、才木は3回4失点ながら最速151キロの速球が光った。金本知憲監督(49)は2人を「おもしろい」と評価。来春の沖縄を、若き先発のダークホースが沸かせる。

 竹安はことごとく打者の芯を外した。北條が、中谷が、西岡が、凡打の山を築いた。白組先発で3回を無安打無失点。最速145キロの真っすぐに加え、ツーシーム、スライダーなどがキレキレだった。片や、紅組先発才木は3回4失点だったが、初回先頭の俊介にこの日最速の151キロをマーク。躍動した2人に、指揮官はすっかりホレ込んだ。

 金本監督 もちろん、先発候補。オレは両方(1軍キャンプに)連れていきたいけどね。

 実績のない若手選手が、この時期に来春の1軍キャンプを内定させるのは異例の早さだ。それほど指揮官の期待は高まっていた。

 竹安はツーシームが絶品だった。金本監督は「あれはいいね。左打者にどれだけ通用するか、だけど」。右打者の内に切れ込み、芯もタイミングも外せる。この日はスライダーを決め球に、左右関係なくカウント球としてツーシームを駆使。「沖縄で(キャンプが)始まるのと始まらないでは大きく違う。しっかりアピールしていきたい」と表情を引き締めた。

 才木は無失点で迎えた3回、大山に2点打、陽川に2ランを浴びた。だが粗削りな投球を金本監督は「打たれたけど見どころがあったね」と評価した。「最速151キロ。セットになった時、147ぐらいか。平均でも4、5キロぐらい落ちたのかな。まあ、クイックやったからね。できるだけ、その差を縮められるようにね。スピードよりもキレだけどね」と宿題を出した。才木も「納得いってないです。伸びのある真っすぐを投げられるようにしたい」とパワーアップを誓った。

 来季先発ローテで当確はメッセンジャーと秋山の2人だけ。金本監督は今後の2人について「おもしろいね。ひと冬越して良くなる選手って、体が大きくなるからね大体」と、肉体強化を経ての進化を期待する。沖縄でアピールすれば、ローテ争いに割って入る可能性は十分。ダークホース2人が先発レースをにぎわせてくれそうだ。【山川智之】

 ◆竹安大知(たけやす・だいち)1994年(平6)9月27日、埼玉県生まれ。二松学舎大付から1年夏に伊東商に転校。熊本ゴールデンラークスを経て15年ドラフト3位で阪神入り。2年目の今季はウエスタン・リーグで20試合登板し、先発はチーム最多の14試合。5勝4敗、防御率2・76。今季10月5日中日戦で1軍戦デビューし、1回無失点で勝利投手。

 ◆才木浩人(さいき・ひろと)1998年(平10)11月7日、兵庫県生まれ。須磨翔風で甲子園出場はなかったが「藤浪2世」の異名も取った。16年ドラフト3位で阪神入団。今季ウエスタン・リーグで14試合に登板し1勝5敗、防御率4・88。終盤1軍昇格し、10月5日の中日戦(甲子園)に3番手で初登板。1回0封で初ホールドをマークするなど2試合に登板した。