3大会ぶり2度目出場の日本製紙石巻(宮城)は、トヨタ自動車(愛知)に2-4で敗れ、大会初白星を逃した。2番手で5回から登板したエース左腕の塚本峻大(25=東北学院大)が同点の9回に2点を失い力尽きた。四球で走者を許し、相手7番に甘く入ったスライダーをとらえられ、決勝中越え三塁打を浴びた。「低めに投げて内野ゴロのつもりが、高めに浮いた。四球から嫌な流れになり、点につながった」と肩を落とした。

 投打に力負けした。相手より1安打上回る9安打を放ったが、2点しか奪えなかった。5回1死三塁から1番井上信志外野手(25=東北学院大)が2球連続でスクイズを失敗し、結局は空振り三振。後続の遊撃内野安打で同点に追い付いたが、1球で決めきれない弱さを露呈した。前田直樹監督(39)は「トヨタの方が上手。当たり前のことを当たり前にやってくる。差があった」と唇をかんだ。

 投手も自分のペースで投げられなかった。先発した最速150キロ右腕の宝利亮(25=近大)は大きい投球フォームの隙を突かれた。2盗塁を許し、4回6奪三振4安打2失点で降板。前田監督就任1年目は都市対抗、日本選手権の連続出場こそ果たしたが、ともに初戦敗退に終わった。同監督は「去年は全国に出られない悔しさがあったから、練習した。今年は全国で勝てなかった悔しさを持って練習できる」と前を向く。切望する全国舞台での勝利を目指し、冬でも汗をかき続ける。【高橋洋平】