相手が誰でも動じなかった。台湾代表との親善試合第2戦は、4回に佐々木が2点差に迫られ、なお2死一、三塁。台湾プロ野球史上最強打者の呼び声も高い「大王」こと王柏融(ワン・ボーロン)を迎えた。井口監督から送り出された19歳の成田は「良い場面で良い打者と対戦。気合が入りました」と高ぶった。フルカウントとなったが「捕手を信じました」。最後は低めにチェンジアップを決め、空を切らせた。

 2年目左腕にとって、台湾遠征は貴重な機会となっている。伊東前監督に見込まれ、今年9月に1軍デビュー。先発2試合を含む4試合に投げ、経験を積んだ。先発志望だが、今回は中継ぎ待機で2連投。「ずっとやっていなかったので、中継ぎの大変さを知りました」と、実戦の中で吸収した。井口監督は「(王柏融は)相手に不足なし。今回は中のワンポイントだけど、そこからアピールして欲しい。チャンスは何回もない。ものにして欲しい」と目を細めた。井口新体制でも楽しみな存在だ。【古川真弥】