侍ジャパンの4番を務める山川が豪快な1発を放ち、稲葉監督の起用に応えた。3点を追う6回無死一塁。韓国の2番手・具昌模の初球だ。真ん中低めへ甘く入った143キロの直球に反応した。打球は大勢のファンが待つ右中間へ突き刺さった。侍4番の公式戦本塁打は今年3月のWBCイスラエル戦、DeNA筒香以来。「稲葉ジャパン1号」となる2ランを放ち「4番のプレッシャーを感じて緊張しましたが、打ててよかった」と満面の笑みを浮かべた。

 甲斐、又吉とともにオーバーエージ枠で選出された。稲葉監督から宮崎合宿初日に「4番」を直接言い渡された。合宿でのフリー打撃では、初日から柵越えを連発。12日の日本ハムとの練習試合では推定140メートルの特大本塁打を放ち、好調をアピールしていた。

 守備でも8回無死一、二塁、俊敏なバント処理で進塁を防いだ。その後のチャンスでは凡退したものの、サヨナラ勝ちへの流れは山川の1発から始まった。「打った打たないより、とにかく勝ってみんなではしゃげてよかった」と価値ある本塁打で、チームの勝利を引き寄せた。【桑原幹久】