昨季チーム最多の11勝を挙げたDeNA今永昇太投手(24)が、“筒香カーブ”の習得に取りかかる。「ハードカーブがあれば、直球のスピードを生かせる。下りが強ければ強いほどいい。ウィーランドや浜口も、大きく落ちるカーブを持っているから投球の幅が広い」。昨季の成績に満足することなく進化を目指す。

 きっかけは筒香だった。12月のチームイベントの際に「ソフトバンクのリリーフ陣が、なぜあそこまで防御率がいいと思う?」と質問された。日本シリーズは第6戦まで戦ったが、チーム力の差を感じた。だからこそ、主砲なりの疑問をぶつけてきた。「全員、パワーカーブが多い。投手コーチがそうさせているのかな?」。筒香の言葉が頭から離れなかった。

 関係者に“取材”をかけると、元メジャーリーガーの名前が挙がった。「五十嵐さんの影響が強いみたいなんです」。米国での4年間で習得したナックルカーブと直球を武器にする、球界屈指のセットアッパーだ。今永もスピンの効いた直球が持ち味で、日本シリーズではソフトバンク打線に通用した。その直球を生かし、投球の幅を広げるための糸口が見つかった。

 地元・北九州での自主トレから着手し、勝負球にするため時間をかけて精度を高める。「球速は、130キロは切れるようにできれば。シーズン中には、ものにしたい」。主砲の言葉にヒントを得て、頂点への足がかりにする。【栗田成芳】