中日にテスト入団した松坂大輔投手(37)が、爆笑の中でチーム合流を果たした。28日、沖縄・北谷球場で行われているキャンプ先乗り組の自主トレに初参加。キャッチボールやノック、ランニングメニューで汗を流した。練習前には円陣でナインにあいさつ。8歳年下の大野雄に突然「ダイスケ!」といじられ、笑いに包まれて沖縄トレのスタートを切った。

 朝イチから北谷球場は笑いに包まれた。午前9時50分、円陣の中心にはチームに合流したばかりの松坂が立っていた。「松坂大輔です。怖がらずに、どんどん聞いてください。こっちはオッケーです」とあいさつ。すかさず大野雄が「ダイスケ!」と大声で反応した。これにナインは大爆笑。松坂は、まさかの呼び捨てに眉をひそめるどころか「そんな感じでいいよ!」と笑顔で応え、和やかに合体を果たした。

 ノック中もランニング中も、ファンへのサイン中も、松坂の表情は明るかった。入団テスト2日後の25日にナゴヤ球場を訪れた際は、積雪のため選手会主催の合同自主トレが中止になり、ナインとの対面がお預けとなっていた。ようやく輪に入れた松坂は「(大野)雄大がいじってくれたので良かった。こっちもいじってもらって、笑いが起きて良かった」と胸をなで下ろした。

 入団が決まった23日の会見で「僕は後輩には、なめられるタイプ」と発言していた。大野雄の早速のいじりは、松坂自身も大歓迎。ナインも待ちわびた対面は、笑いの中心にレジェンドを迎え入れる、アットホームなものとなった。

 ムードメーカーでもある大野雄は「せっかく来ていただいたのに、しんみりやるよりは。礼儀はしっかりしますけど、楽しんで。僕がそんなことしなくても松坂さんは溶け込むと思うけど、いろんな話をしてほしいので」と雰囲気を演出した。この日の参加者の中で松坂の37歳は最年長。谷元の33歳が2番目と若手中心だったが、「中日松坂」は順調に滑り出した。

 この日は森監督ら首脳陣が視察。又吉と約70メートルの遠投をする松坂に熱視線を送った。松坂は「首脳陣から飛ばしすぎるなよと言われた。ペースを落としても良いのかなと。油断してケガをしないようにしたい」。近藤投手コーチは「自分でしっかり合わせてくれたらいい」と調整を任せた。早ければ今日29日にもブルペン投球を披露。日米通算164勝右腕が1歩ずつ前進していく。【宮崎えり子】