天敵が明確に示された。巨人の1軍合同自主トレが28日、宮崎市内で始まった。2月1日の春季キャンプに向け、1軍選手が集結。屋内施設「木の花ドーム」の一角に設置されたバーチャル投球マシンの映像が阪神メッセンジャー、広島薮田、DeNA今永に設定されていることが判明した。マシンはキンキクレスコ(本社大阪・池田市)製で複数の変化球が投げられ、実在の投球フォームの映像が確認できる。実戦さながらの臨場感の中、天敵を打ちのめす特訓が敢行される。

 開幕ダッシュからAクラス返り咲きへの足がかりにする。開幕戦で対戦することが内定している阪神メッセンジャーには昨季、3戦2勝を献上し、防御率1・23と大苦戦。広島薮田も6戦で2勝を挙げられ1度も土をつけられなかった。DeNA今永に対しては5戦で1勝1敗も本塁打0に封じ込まれた。メッセンジャーだけではなく、薮田、今永も開幕投手の有力候補で相手先発ローテの柱を担うことは確実視されている。

 だからこそ、攻略すれば戦局を優勢に持ち込める。坂本勇は「エースを攻略しないと駄目だと思うし、うちは投手が強いので、野手が点を取れれば優勝につながる。なかなかエース級から点をいっぱい取れるわけではないので、みんなが考えながら打席に立たないといけない」とエース崩しの重要性を強調。2月13日までの宮崎キャンプで攻略イメージを植え付ける。

 バーチャル投球マシンが設置されている打撃練習場は、シートに覆われチーム関係者以外には公開されていない。16年は広島黒田、ジョンソン、中日大野、阪神藤浪、昨季はDeNA井納、石田が同マシンの映像に設定されていた。導入3年目の“秘密特訓場”で相手エースを打ち砕き、本番のマウンドでも沈める準備を進めていく。【為田聡史】