広島緒方孝市監督(49)が、球団初のリーグ3連覇に向けた「3条件」を掲げた。1月31日、キャンプ地の宮崎・日南入り。守り勝つ野球の基本方針を掲げた上で、(1)若手の躍進(2)地力の証明(3)左投手の台頭、の3つをペナントレースの主なカギとした。セ・リーグでは巨人以外は達成していない大偉業へ、チーム一丸となって戦い抜く覚悟だ。

 緒方監督が大号令を出した。日南市内の宿舎に到着後、すぐさま行われた全体ミーティング。気持ちを高め、こうハッパをかけたという。

 「3連覇を目指すことをモチベーションにしていこう。セ・リーグで言えば巨人しか達成していない。なかなかできることではない。チーム一丸となって、戦っていこう!」

 昨年までの2連覇は投打のバランスが非常に優れていた。それでも指揮官の基本方針は投手中心に守り勝つ野球。それは今季も変わらない。「リーグ優勝するためには、とにかく投手陣の力が大きい。選手にも競争でポジションを勝ち取れと伝えた」。その中で強調したのが次の3つだ。

 (1)若手の躍進 「大きな戦力補強がない中で、フレッシュな選手を(1軍に)入れている。期待も大きい」と指揮官。投手で言えば高橋昂、塹江、藤井皓、高橋樹、アドゥワ、辻、とプロ未勝利を6人も1軍キャンプに呼んだ(新外国人カンポスをのぞく)。若い力の1軍戦力への成長が、全体的な底上げにつながる。

 (2)地力の証明 緒方監督は、昨年先発で15勝の薮田と12勝岡田の名前を自ら口にした。「今年も結果を出して、初めて力を証明できる。1年だけで終わってもらいたくない」。プロ球界では3年活躍して一人前との定説が古くからある。継続した成績を残すよう奮起を促した。

 (3)左投手の台頭 先発、救援投手とも左腕不足がチームの数少ない悩み。それは指揮官も「左投手には大きなチャンス」と認める。キャンプで左腕の実力も見極めることになる。「ただ左で投げるだけでは要らない。力で勝ち取ってもらいたい」と続けた。

 緒方監督は、周囲からのV3への期待を歓迎した。「3連覇と言われることをモチベーションとしていきたい」。1軍スタートながら、右足首のリハビリ中の鈴木は別メニューの方針を明かした。また1、2軍の入れ替えも行いたい意向。キャンプ序盤はブルペンに足を運ぶ回数が多くなるという。今年も南国・宮崎から、頂点への道が始まる。【大池和幸】