岩貞打って猛アピールや! 2年目を迎える阪神大山悠輔内野手(23)が3日、沖縄・宜野座キャンプでフリー打撃を行い、左腕岩貞から16スイングで3本塁打を含む安打性の当たりを6本放った。直球のみの対戦とはいえ、まだ目が慣れていない時期のアーチを金本監督も「さすがだな」と評価。二塁争いの有望株が、対応力を存分に示した。

 今季初めて相対した投手の生きた球に、しっかり反応した。大山がバットの芯でバチっと捉えた打球が、左翼フェンスをまたいでいく。週末に訪れた観客席の虎党から無数の拍手がわき起こった。フリー打撃で対戦したのは先発ローテ入りを争う岩貞。力のある直球をはじき返し、16スイングで3発を含む安打性6本と結果を残した。

 この時期、通常は投手の方が仕上がりが早い。打者の振り遅れが目立つが、期待株には当てはまらない。大山は「まだ対応はできてないです。捉えたと思っても、つまっている打球もあったので」と話し、3発を放ったことにも「風です」と謙遜したが、手ごたえは悪くない様子。「ピッチャーの球を打席で見られたのは良かったです。紅白戦もアピールの場になる。アピールしていかないといけない身なので、結果を出したい」と初実戦となる7日の紅白戦に向けて意気込んだ。

 ほかにも収穫があった。対決した岩貞は上げた右足をいったん止める2段モーションで投球。それでも大山はタイミングを大きく外されることなく食らいついた。「そういうルールができたことで、そういうピッチャーも増えてくる。そこに対応していかないといけない。バッティングはタイミングを合わせることが重要だと思うので」。今後も工夫を重ねていく。

 金本監督は、この時期の快音に「さすがだなと思いましたね」と評価した。その一方で「体が思うようにできあがっていなかった。彼自身はサボったりせず、一生懸命やったんだけど、こちらが要求する体にはちょっとなれていない」と注文も忘れなかったが、二塁争いで強烈な印象を残したことは間違いない。理想のボディー作りを継続し、二塁奪取へ。大山は生き残りをかけてもがき続ける。【真柴健】