阪神金本知憲監督(49)が5日、期待の新外国人ウィリン・ロサリオ内野手(28=韓国・ハンファ)の実戦について同一リーグでも隠さずに堂々と起用する方針を明かした。明日7日の紅白戦は4番指名打者で先発する方向。実戦に入れば、敵情視察のスコアラーに徹底分析されるが気にしない。

 「隠しても、すぐバレるやん(笑い)。早く慣れてほしいし、日本の配球とか。ボールの感覚とか、打感とか。どうせオープン戦でやるし、みんな見に来る。早いか遅いかの違いや」

 メジャー通算71本塁打を誇り、昨季まで韓国球界でも2年連続3割30本塁打100打点を記録したが日本の緻密な野球は初めてだ。11日に同一リーグのDeNAと戦うが、調整が順調なら、基本的に3月も含めて遠征も同行させる方針だ。

 「オープン戦で慣れてほしいからね。本人が韓国でやっている。違和感がないと言うなら、休ませたりしてもいいけど。配球は日本独特のものがあるから」

 何より、ロサリオ自身の情報収集を優先する。金本監督は敵にもユニークなお願いだ。「相手捕手も、しっかり抑えにきてくれないとね。抑える配球をしてくれないと」。弱点を突かれて沈むほどヤワではない。打てるツボを探る配球よりも、本番さながらに攻めてくる真剣勝負を敵陣に求めた。前日4日までの第1クールは大砲の片りんを見せつけた。豪快な柵越えを連発し、外野のテレビクルーを襲う弾道もあり、フォロースルーが大きくて打撃ケージに直撃するシーンもあった。いよいよ実戦へ。痛快な「ロサリオ劇場」は第2幕に入る。【酒井俊作】