楽天ドラフト6位の西巻賢二内野手(18=仙台育英)が10日、初のシート打撃で猛アピールした。ドラフト1位の近藤弘樹投手(22=岡山商大)と、3月の侍ジャパンの強化試合の代表候補に挙がる2年目左腕の高梨から計2安打。故障で2軍調整中の茂木の回復次第では、楽天初の高卒新人の開幕戦スタメンがあるかもしれない

 楽天西巻は思いっ切り振り抜いた。2ボールから、ドラフト1位近藤の高め直球を左中間を破る三塁打。今キャンプ初のシート打撃の先頭打者で存在感を示した。次打席で凡退した後は「侍」との対戦。左のサイドスロー高梨の内角をえぐる直球に対して体をクルリと回し左前打。「とにかく振り抜くことだけを意識して、結果は気にしていなかった」と、高卒新人らしく、がむしゃらに食らいついた。

 室内練習場で行われた特打では、打撃投手を務めた梨田監督から鋭い打球を連発した。「あ~しんどい」と汗を拭った指揮官から背番号と同じ67球を投げてもらい「かなり緊張しました。監督が『投げるのは13年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)以来』と言われて。次は僕だなんて。汗が止まらなかった」と言った。梨田監督は「ボールを絞っていたし、高梨のインサイドの難しい球もうまく処理した。打つ方が時間かかると思っていたけど、順調。楽しみ」と目を細めた。

 当初は2軍キャンプスタートの予定だった。藤田の故障により、1軍キャンプの切符をつかみ、フリー打撃→シート打撃と着実に結果を残している。正遊撃手の茂木は、昨年受けた右肘クリーニング手術の影響で2軍リハビリ中で、実戦復帰は3月中旬以降とみられる。茂木の回復具合次第だが、三好ら先輩のライバルと競り合いを続けていけば、開幕スタメンも決して夢ではない。13日から沖縄・金武町で始まる1軍2次キャンプメンバーにも決まった。西巻は「学ぶことばかり」と背伸びすることなく、アピールを続けていく。【栗田尚樹】