プロ野球楽天のスカウトを務めていた元日本ハム投手の上岡良一氏(51)が、母校の東北福祉大(仙台6大学)に復帰していたことが10日、分かった。

 東北の好素材を発掘し、15年からは2年連続でドラフト会議に出席するなど手腕を発揮してきたが、昨年末に楽天を退団していた。同大硬式野球部のコーチには就任せず、自由な立場で母校だけでなく幅広くアマ野球の指導に携わる見込みだ。

 同大の講師から、楽天球団創設期の05年1月にスカウトへ転身した。東北・北海道地区の担当として、チームの主力である銀次内野手(29)や、17年のドラフトで6位指名した西巻賢二内野手(18=仙台育英)らを発掘。昨年11月の新入団選手発表会見では、今年1月4日に70歳で亡くなった星野仙一球団副会長から「楽天のことだけでなく、野球界全体のことを考えろ」と、声を掛けられていた。

 昨年末には、学生野球資格回復制度の研修会を受講している。プロ野球経験者が高校、大学生らに指導するために必要な同資格をすでに回復しており、指導に支障はない。

 現在、同大は上岡氏の1学年下に当たる元西武の大塚光二氏(50)が監督を務めている。近年は宿敵仙台大が台頭。昨春はリーグ優勝したものの、昨秋はまさかの3位に沈んだ。長年のスカウト活動で培った眼力を生かして、母校の課題である投手陣の底上げを側面からサポートする。また、母校以外の指導にも幅を広げ、アマ野球界全体のレベルアップにも貢献する。