甲子園優勝経験投手がリーグ王座奪還の切り札になる! 東北福祉大(仙台6大学)に合格した最速141キロ右腕・綱脇慧(埼玉・花咲徳栄3年)が入学に先駆けて1日からチーム練習に合流。中1日で2度目のブルペン入りした13日は変化球を交えて約40球を投げ込み、同大・室内練習場に小気味よいミット音を響かせた。

 昨夏甲子園は背番号10で全6戦に先発。計4勝を挙げて全国制覇に貢献した。「(投球は)まだ8割くらいの力ですが、大学は体もプレーのスピードも違う。早く追いついていきたい」。昨秋は同期の清水(中日4位)西川(西武2位)とともにプロ志望届を提出したが、ドラフト指名はなかった。東北福祉大OBの花咲徳栄・岩井隆監督には「4年後にプロにいけるようにしっかりとやれ」と激励された。

 昨秋、プレーオフを除いて75季ぶりの3位転落の屈辱を味わった元西武の大塚光二監督(50)は「背水の陣で結果を求めたい。球数を投げられる先発完投タイプを目指してほしい」と期待している。綱脇は20日までチーム練習に参加。22日からの春季キャンプ(米ロサンゼルス)には同行せず、卒業式後の3月中旬からの関東遠征から再合流予定だ。「オープン戦で投げられるように準備したい。(将来は)最速150キロを目標にして大学ジャパンのユニホームも着てみたい」とまさに「綱取り」の夢を広げた。【佐々木雄高】

 ◆綱脇慧(つなわき・すい)1999年(平11)5月11日、東京都港区生まれ。小1から野球を始め、高陵中では東京城南ボーイズに所属。花咲徳栄では2年春からベンチ入りし、甲子園には2年春夏、3年夏に。家族は両親と弟。右投げ右打ち。180センチ、80キロ。