18年の戦う色が見えた。楽天と日本ハムが23日、沖縄・金武町で練習試合を行い、両軍ともキャンプを打ち上げた。今季初となったパ・リーグ同士の実戦。楽天は「足」日本ハムは「重厚な打線」を前面に出し、キャンプでの重点的な取り組みをゲームに落とし込んだ。携えた強みを今日24日から始まるオープン戦で磨き上げていく。

 今季の楽天は、走り勝つ。まずは主軸が見せた。2回1死一塁から銀次が二盗をマーク。日本ハム先発の新外国人・マルティネスの高速けん制を受けるも、昨季143試合で2盗塁の男が直後に走った。6回2死一塁からは島井が二盗。チーム一の快足は8回にも走った。1試合で4盗塁。練習試合ながら、ギャンブルスタート、グリーンライトなど状況に応じたサインがベンチから出される。チーム全体の走塁の意識が高い。

 走らなければいけない理由がある。梨田監督は今季のテーマに「機動力野球」を掲げた。チーム全体の目標は70盗塁。この日も、アウト濃厚のフライであっても二塁まで回り切る。久米島キャンプから、全体練習の最初にベースランニングを導入。さらに2次キャンプからは「指名代走制」を積極的に採用。練習試合などで出塁した際、俊足の島井、田中を代走に入れた。常に次の塁を目指す意識を根付かせ、実戦の舞台で足を生かした攻撃に幅を広げた。

 だから5年ぶりの優勝へ走り続ける。梨田監督は「足は安定してきた。でも今の時期だから出来るでは困る。シーズンでやらないと」と満足はしない。目指す野球を体現する体力は整う。今季の楽天は「足」で勝つ。【栗田尚樹】