DeNAが今季から「統計アナリスト」を起用する。データ分析をさらに強化するため、統計学にたけた専門家を1月から採用。昨年11月に新設した「R&D(リサーチ&ディベロップメント)グループ」に配属した。メジャーで主流の分析分野を本格化させDeNA流に落とし込む。

 多くの国内球場で採用するトラックマン(弾道測定器)だけでなく、あらゆる観点から分析する。これにより2つのメリットができる。1つは「評価基準」。球団関係者によると、データから選手を評価する判断基準が生まれる。従来の個人成績に加えて、新機軸で選手の特性や個性を見いだす。さらに新外国人を獲得する際などに、適した人材なのか測ることができるという。

 もう1つは「戦略」。同関係者は「例えば打順。数字的に理想の並びが見えてくるかもしれない」。DeNAでいえば、ラミレス監督が採用する「8番投手」の効力や、メジャーで「2番打者最強説」があるように「3番筒香最強説」が、数字から実証できる。

 球団には、若手を積極起用で開花させる同監督や、ドラフト戦略をけん引してきた高田GM、吉田スカウト部長をはじめとする野球を目で見極める力がある。そこに専門的な分析力を加えることで「化学反応を起こしたい」と同関係者は期待する。チーム付き英語教師に続く新ポスト。DeNAはさらなる飛躍を遂げる。【栗田成芳】