ムネリンと一緒に戦う。ソフトバンクナインが、26日に退団発表した川崎宗則氏(36)に連続日本一を届ける。一夜明けたこの日、ヤフオクドームで全体練習が行われた。

 川崎氏が自律神経の病気だったこともあり、選手たちも状況は知らされていなかった。内川は「直接聞いていないので、連絡しづらい状況だった」と複雑な表情。「まずは精神的に元気になってほしい。普段はすごく明るく楽しいムネさんだったが、葛藤なども心の中であったと思う」と1日も早い回復を願った。11年に横浜(現DeNA)からFA移籍した時には人一倍、温かく迎えてくれた。「僕らのプレーをみて元気になってもらうようにと思って、開幕からやっていくしかない」と、強い姿を届けることを誓った。

 遊撃後継者の今宮は「一緒にプレーしたのは1年もないけど、すべてが勉強になった。尊敬しかない。存在としては勝てない」と、元気なキャラクターはマネできないと話す。川崎氏と同じく元気者の松田は「ショック。プロに入った時は雲の上の人だった。ムネさんがメジャーに行ったあとは僕が声を出した。いい伝統は継続していきたい」とムネリン魂継承を誓った。本多、福田、城所ら川崎氏と親しい選手も、昨年の1年しか知らない上林や甲斐も思いは同じだ。

 03年にレギュラーに抜てきした王球団会長は「本人が出した結論。受け入れるしかない。一番つらいのは本人」と厳しい表情。「多くのファンの心に焼き付いているだろう。体調を戻して、若い人にチャレンジするすばらしさを、野球に夢中にさせてほしい」と早期回復と球界復帰を願っていた。【石橋隆雄】