楽天が東日本大震災が発生した11年以来、7年ぶりにZOZOマリン(当時はQVCマリン)で開幕戦を迎える。震災の影響で開幕が4月にずれ込んだ7年前、嶋基宏捕手(33)が放った決勝3ランのボールをキャッチした青年は、今日30日も同じ球場で声援を送る。当時監督を務めた星野仙一氏(享年70)は1月に死去。さまざまな思いを乗せて楽天の1年が始まる。

 7年前とではメンバーが変わった。球場名もQVCマリンからZOZOマリンに変更された。楽天嶋は「覚えていますよ」と11年4月12日の開幕戦を振り返った。今日と同じ舞台で、同じ相手。1-1の7回に好投を続けていた成瀬(現ヤクルト)から左翼スタンドへ勝ち越しの3ランを放った。震災が起き、各地を転々としながら迎えたあの時を忘れるはずがない。

 気持ちのこもったホームランボールを楽天ファンの石塚友祐さん(28)がキャッチした。その経験が、スポーツ報道の世界へと導いたという。「被災地の人に、嶋さんやイーグルスの皆さんが元気を与える中でのパイプ役になりたい」と、日本テレビに入社し、昨年までスポーツ局でプロ野球を担当した。

 当時の監督の星野氏は1月に亡くなり、くしくも楽天は7年ぶりに千葉で開幕を迎える。スポーツ局を離れ、情報番組を担当する石塚さんは「星野さんも亡くなられて、今年は特別な年だと思います。見ておきたかった」と、休日を利用しスタンドで観戦する。

 嶋 勝っても、負けても、最後まで諦めずに戦う。143試合そういう姿勢で行くということを見せていきたい。

 梨田監督はあらためて勝利を誓った。「昨年8月まではいいところに行きながら、失速した。(星野)副会長もご立腹していた。夏にバテないように副会長とともに戦いたい。まず明日勝つ」。千葉から優勝へ-。選手、監督、ファンの気持ちは1つだ。【栗田尚樹】