金本阪神が開幕2戦目から大胆なオーダーを組み、打線が機能した。東京ドームのバックスクリーンには「1番俊介 2番上本」の並びが映る。前日30日の開幕戦は1番高山、2番鳥谷で快勝に貢献したが、一夜明けて、またも、金本監督がサプライズ起用だ。

 鉄人鳥谷が先発を外れ、二塁に上本を抜てき。攻撃の起爆剤になった。1回に左前へ運ぶと3回は田口の速球をとらえ、あと1メートルもあれば軽く柵越えするフェンス直撃の二塁打で出塁。攻めの起点になり、3点奪取に導いた。この日は猛打賞で期待に応えた。俊介とともに上位に並べたのは理由がある。金本監督は「もちろん、去年の相性があったから」と説明し、片岡ヘッド兼打撃コーチも言う。

 「相性というか、向こうから見て嫌な並びを考えて打線を組んだ。(上本は)1本目が出て、3本、打ってくれたね」

 データも重視する。田口に対して、昨季、上本は10打数5安打の打率5割だ。俊介も9打数5安打で5割5分6厘をマーク。これが用兵の判断材料になった。打線の固定にこだわらず、臨機応変に組み替えるスタイルで勝負していく。

 30日は開幕前の実戦で1番起用がなかった高山をトップに据え、貴重な適時内野安打を放つなどキーマンになった。この日は上本が活躍し、采配は的中する。打線は早いカウントから攻め立て、田口を攻略。開幕から2戦連続2桁安打を記録した。片岡コーチは「クリーンアップにも本塁打、打点がついている。いい流れを続けたい」と言う。敗戦のなかで打線の充実ぶりが際立った。【酒井俊作】

 ◆阪神が開幕戦から2試合連続で2桁安打は、17年3月31日、4月1日広島戦で各16安打、11安打して以来、2年連続。また、開幕カードに限らない巨人戦1回戦からの2試合連続となると、03年の5試合連続以来15年ぶり。同年はセ・リーグ優勝を果たしている。

 ◆阪神打線が巨人田口に浴びせた11安打は、同投手との対戦では最多。17年9月12日(甲子園)での10安打を上回った。田口には昨季まで11試合に対戦し、7勝を稼がれ(2敗)防御率2・73と好投を許してきた。

 ◆阪神は開幕戦から2試合連続で本塁打。これは10年3月26日横浜戦(桜井)27日同戦(城島)以来、8年ぶり。また開幕2試合で3本塁打は、04年4月2日巨人戦1本(アリアス)、3日同戦2本(矢野、アリアス)以来14年ぶり。