阪神のドラフト2位・高橋遥人投手(22=亜大)がデビュー戦で猛虎の球団史に残る快投をやってのけた。プロ初登板初先発で、強打の広島打線を圧倒した。直球は最速147キロで球威があった。スライダー、フォークなどの変化球はキレ味抜群。制球も良く、内外角を正確に突いた。7回までたった2安打に抑え、二塁ベースさえも踏ませなかった。味方の援護も受け、7回2安打無失点でリリーフ陣にバトンタッチし、初白星を手にした。

 阪神の新人投手が甲子園でプロ初登板初先発初勝利を飾ったのは、59年の村山実以来。左腕となれば、球団史上初の快挙だ。高橋遥は緊張した表情で、お立ち台に立った。「新人の亜細亜大学出身の高橋遥人です。よろしくお願いします」。初々しくあいさつし、スタンドを沸かせた。「すごく楽しかったです。100点あげてもいいんじゃないか、って思います」と84球のマウンドを振り返った。試合終了後には、守護神ドリスからウイニングボールをもらい、金本監督と笑顔で記念撮影に臨んだ。記念のボールは12日から甲子園記念館に展示されることが決まった。