好調を維持する広島丸が特大弾でチームを勝利に導いた。3回だ。2死一、二塁で巨人田口がスライダーを3球続けた後の4球目。138キロ内寄りの直球を強振した。両手に残る感触、右中間席に向かって勢いよく飛んでいく打球を見ながら、右手拳を握り「シャーッ!」と叫んだ。「すごく手応えが良かった。昨日ああいう負け方をしていたので、先制点が欲しかった」。大敗した前夜の空気を振り払う5号3ランに、珍しく感情を爆発させた。

 開幕から14試合すべてで出塁し、連続安打は9試合に伸びた。本塁打だけでなく、打率4割1分9厘、出塁率6割3厘もリーグトップ。13打点は同3位で、14得点は同2位とセ・リーグの打撃部門を独占する勢いだ。緒方監督も「今ものすごくいい状態。続けて欲しい。ボールを長く、ゆっくり見られている」とたたえた。鈴木と新井を欠く打線を絶好調ヒットマンが先頭に立って引っ張っている。