中日吉見一起投手(33)が6年ぶりの中5日登板でエース復活をアピールする。明日9日のヤクルト戦(金沢)で先発予定。13年に右肘トミー・ジョン手術(じん帯再建術)を受けて以来、初めて間隔を詰める。

 中日投手陣は7日、福井市の福井工大の室内練習場で練習を行った。ブルペンに立ったのは吉見1人。撮影をNGとし、学生が普段使う黒土マウンドで投球を繰り返した。取材に応じることなくバスに乗り、緊張感を漂わせた。

 朝倉投手コーチはコンディションに問題がないかと聞かれ「そうです」と一言。前回3日のヤクルト戦(神宮)が5回78球と少なかったとはいえ、久しぶりの中5日登板は大きな前進だ。復活の気配を見せ始めた15年は十分な間隔を設けながら先発した。16年は5~7月に中6日で回ったが、それ以上詰めることはなかった。昨年も同様だ。

 中5日でしかも舞台は地方球場。だが実は吉見は地方球場を得意としている。近年は体調を配慮され、ナゴヤドームでの登板が多かったが、地方では通算8試合(先発6)で4勝1敗、防御率1・94という数字を残す。昨年も松山でヤクルトに8回1失点と好投。崩れたのは10年の金沢(対日本ハム)の5失点だけで、それ以外すべて好投している。

 最下位ヤクルトとは0・5ゲーム差。浮上には先発の軸が必要不可欠。かつての大エースが再びローテを引っ張る存在に舞い戻れるか。【柏原誠】