4連勝じゃ! 広島中村祐太投手(22)が今日8日、球団では00年佐々岡真司(5戦5勝)以来となる開幕4戦4勝をかけてDeNA戦(マツダスタジアム)に先発する。開幕ローテは外れたが、週の頭の先発を任されるまで安定感を発揮。4月24日の対戦で完投目前、悔し涙の降板となった同じ相手から、今度は笑顔で白星を勝ち取りたい。

 登板前日のブルペン投球で最終確認を終えた中村祐は、すっきりした表情で球場を後にした。「しっかりいい形で自分の球を投げないと、いい投球につながらない。力を出し切れずに降板するのが一番悔しい」。ここまで3戦3勝。開幕から4戦4勝となれば、00年に5戦5勝をマークした佐々岡以来となる。

 運だけではない。ここまですべてクオリティースタートを達成。前回1日巨人戦は序盤2回だけで3点を失いながら立て直し、修正能力を見せた。「昨年は自分のことで精いっぱいだった。今年は長いイニングを投げたいという気持ちを強く持っている」。昨季は1戦1戦に感情が揺れた。登板4試合目で3勝を挙げながら「1勝するとホッとしていた」と、その後2連敗を喫するなど4試合勝ち星から遠ざかった。「ここからは昨年との違いを見せたい」と、今季は足踏みするつもりはない。

 前回の4月24日DeNA戦(横浜)では初完投を目前に降板となり、ベンチでは涙を流した。「完投は先発投手なら、そこを目指して試合に入ると思う。僕も完投するという強い気持ちを持っている。(前回は好投したが)また新たな気持ちで臨みたい」。再び強力打線に挑み、今度は笑って試合を終えたい。

 ただ、次の登板もあくまで通過点。シーズン途中から5勝した昨年も、クライマックスシリーズ登板はならなかった。「そういうところでも先発を任せてもらえるような投球をしていきたい」。ここまで3試合でも昨季からの成長を見せているが、満足などしていない。「内容が良くなくて、結果がついてきても勘違いしてしまう。しっかり自分の足元を見つめて、もっともっとと、いい緊張感の中でやらないと満足していまう自分がいる」。白星とともに、信頼も1つずつ積み重ねていく。【前原淳】