阪神原口文仁捕手(26)がバットを折りながら、執念の決勝点を挙げた。

 メッセンジャーと飯塚の投げ合いで進み、0-0の6回2死満塁。代打で登場した原口が左前にしぶとく落として2者を迎え入れた。阪神はこのリードを守って連敗を4で止め、勝率を5割に戻した。DeNA戦は今季5戦全勝とした。

 エスコバーの148キロは胸元への明らかなボール球だった。原口は「しっかりと直球を狙ってスイングできた」と強引に振り抜いた。バットは根元から折れ、三塁ベンチ上の客席へ。打球は、ファウルゾーンにハーフライナーで飛んだが、不規則回転をしてフェアゾーンに戻ってきた。一塁ベンチから見ていた金本知憲監督(50)も「最初、ファウルゾーンに飛んだみたいで中に入ってきて。それもバットの出がいいから、ということにしておきましょうか。詰まっても力で押し込むというか、そういう打撃だった」と驚きつつ、勝負を決める一打をほめた。

 原口はこれが今年の初打点。「試合に出ないことが多かったけど、気にせず、集中して準備しようと心がけていた」と勝負どころでの一振りを振り返った。