阪神が中日戦で散発4安打のわずか2得点に終わって、今季のナゴヤドームで初黒星を喫した。これまで同球場で3連勝中と相性の良さを示していたが、先発左腕のガルシアを攻略できず。1回は3四球を選びながら1点止まり。結局、内野ゴロ2本の間に得点しただけだった。勝率5割復帰を目指すはずが、9試合連続3点以下で11試合連続1桁安打と打線が振るわない。スカッと勝てず、再び4位に転落した。

 かつての鬼門を「喜門」にするはずが、阪神打線が中日先発ガルシアに惑わされた。最大のチャンスは1回だ。制球が定まらず、プレーボール直後に2連続四球。ビッグチャンスの予感がプンプン漂う。一ゴロで走者が入れ替わった糸井も二盗し、1死二、三塁に。ロサリオの一、二塁間への痛烈なゴロは二塁高橋に好捕されたが先制だ。大山が四球で再び一、三塁に。だが、糸原が見逃し三振に倒れた。

 3四球を選びながら、1点止まり。一気に畳み掛けられず、2回以降は190センチ左腕の動く球を打ちあぐねた。金本監督が「足を使っても、その後の打つ方が…。コントロールもちょっと逆球が多いし、球は動くし」と渋い表情を浮かべれば、片岡ヘッド兼打撃コーチも「取れるところで取っておかんと。初回の1点を取ったあとや…」と指摘した。2点を追う7回も1死一塁で江越が見逃し三振に倒れ、一塁走者の糸原も二盗に失敗。ダブルプレーで瞬く間に反撃機が消えた。

 阪神にとって、ナゴヤドームは長年、相性の悪い球場だった。だが、今年はここまで4月18日から3連勝中、シーズンをまたいでは6連勝中だった。そんな流れも慢性的な貧打で、勢いをつけられない。名古屋で今季初の黒星を喫した。これで9試合連続3得点以下、11試合連続1桁安打と打線は苦境に陥っている。長らくリーグ最低のチーム打率2割2分4厘と沈んだままだ。

 前日18日に3安打のロサリオも、勢いをつけるはずが乗り切れない。3回1死一、二塁で初球から打って出たが詰まらされ、遊ゴロ併殺打に倒れた。ガルシアに対して打線は前回対戦の5日に5回で4得点していたが、この日は沈黙した。指揮官も「(ロサリオは)動いている球に対して、ちょっと動いているから、なかなか芯で打つのは難しいかも分からん」と表情を曇らせた。勝率5割復帰ならず、再び4位転落。投手陣が踏ん張っている間に、打線が上がり目を見せなければ、上位浮上はおぼつかない。【酒井俊作】