日本ハム村田透投手(33)が「巨人ドラフト1位対決」を制した。

 プロ入り後初めて東京ドームで先発。07年大学・社会人ドラフト1巡目の村田が6回0/3を4安打2失点。巨人のプロ初登板初先発となった17年ドラフト1位鍬原拓也投手(22)は5回2安打3失点。10年先輩の村田が投げ勝った。

 試合後のヒーローインタビューでは、巨人在籍時に投げられなかった東京ドームでの初先発の感想を問われて「素直にうれしい」と笑顔。続けて「でも、まだまだ、これで納得してはいけない。1勝でも多く、チームに貢献できるようにしたい」と、表情を引き締めた。インタビュー終わりには、左翼席の日本ハム・ファンから「村田コール」が響いた。

 8回表には出身の大体大の先輩、上原浩治投手(43)も登板した。「ずっと追いかけてきた人」と、あこがれで目標でもある先輩右腕と、ついに同じ試合でマウンドに立った。「同じ舞台に立てたことがうれしい」。今カード初戦の29日、あいさつへ出向くと上原から「(調子が)いいみたいだな」と声をかけられたという。村田は「お褒めの言葉を頂きました」と振り返っていた。ただ、1つだけ悔しかったのは自らが降板した後に上原がマウンドに上がったこと。「僕が投げている場面でベンチから見たかった」。また1つ、追いかけるべき目標も出来た。

 昨年6月11日には札幌ドームでの巨人戦でプロ初勝利を挙げ、涙した。この日は涙はない。「自分の勝利より、チームの勝利がうれしい」。とびっきりの笑顔で、東京ドームでの先発白星を手にした。