パ・リーグの6月から目が離せない。4月に強烈な開幕ダッシュを決めた西武が5月に入り失速。Bクラスのオリックス、ロッテが健闘し、首位から5位までのゲーム差が近年になく圧縮されている。5月に何が起こり、6月をどう戦うのか。担当記者が分析した。

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 日本ハムの伝統である「陽」の空気が、5月の好調を下支えしている。象徴する試合が、2-0で勝利した15日の西武戦(東京ドーム)だった。

 両軍無得点の7回。主将の中田が一塁側ベンチ前の邪飛をダイビングキャッチ。盛り上がった雰囲気に乗り、その裏に決勝点が生まれた。栗山監督は試合後「みんなが全員で何とかしたいんだという気持ちが出ていた。勝つこともすごく重要だけど、みんながそう思ってやること。監督として、そこへ持っていくことが重要」と語った。

 同27日の西武戦(メットライフドーム)でも、一丸の姿勢が前面に出た。延長10回に相手二塁手が併殺を急いで二塁ベースを踏み忘れた瞬間に、ベンチ内の選手が次々と声を上げた。リクエストによるリプレー検証で判定が覆り、最大6点差をひっくり返す逆転劇につなげた。下馬評では不安視されていた投手陣も好調。上沢やマルティネスを中心とした先発陣の頑張りが中継ぎ陣の負担を軽減させ、好循環をもたらしている。何よりチーム全員の気持ちが1つになっているから、投打がかみ合う試合が多い。空気を培うのは簡単ではない。日本ハムが沈む気配はない。【木下大輔】