東京6大学リーグの東大・明大と日本野球機構(NPB)が1日、東京・文京区の東大球場で「東大スポーツデー」を開催した。東大、明大の野球部員と巨人、DeNA、ロッテ、西武のアカデミーのコーチ陣が、5~9歳の児童64人に野球やスポーツの楽しさを教えた。

 大学生とプロが合同で野球教室を開催したのは初の試み。約1時間、3班に分かれて行われ、5歳のグループはスポーツに親しむことをメインに行われた。カラーバットを使った的当てでは、アカデミーのコーチが音やリズムに合わせて、バットにボールを当てることを教えた。

 保護者向け講座では、東大・浜田一志監督(53)による「賢い子どもの育て方~東大運動部員の幼少期に学ぶ」が行われた。浜田監督が「野球は頭が良くなるスポーツです」と話し始めると、参加した保護者たちは熱心に耳を傾けた。

 この野球教室は、浜田監督がNPBの「未就学児を対象とした“野球遊び”のためのNPB12球団の勉強会」を視察したことがきっかけとなった。その後、日本学生野球協会からNPBに正式に協力依頼が要請され開催にいたった。東大は昨年第1回のスポーツデーを行ったが、浜田監督は「予算も大変だしノウハウもなかったから、大変だった」と振り返る。プロもアマもそれぞれのカテゴリーで野球教室を開催している。「一緒にできた方が、お互いに絶対にいいはず…」と考えた同監督は、タブー”とされてきた学生とプロの合同野球教室開催へ本腰を入れた。

 同監督は「大学は全国に380校あり、プロには教えるスキルがある。学生側には場所などのグラウンドとマンパワーがあり、プロはノウハウや用具を持っている。学生には将来指導者になりたい子もいてプロに学べるメリットもある。教える側が楽しければ、子どもたちも楽しい。今日、この野球教室を行って、明るい将来が見えたというか、プロとアマの間にあった壁が薄くなった気がします」と手応えを感じていた。

 集まった学生側は自ら手を挙げて参加した者ばかりだ。明大の部員はオフを返上して駆け付けた。明大・入江大生投手(2年=作新学院)は「めっちゃ楽しかったです。プロの方たちは子どもと同じ目線で教えていて勉強になった。純粋に野球を楽しんでいる子どもたちを見て、自分もその気持ちを思い出せた」と感謝した。仕組みを確立し、全国に裾野が広がっていくことを期待したい。