オリックスが北の大地で長いトンネルを抜けた。勝利の立役者は18号3ランを含む来日最多5打点、2盗塁のステフェン・ロメロ外野手(29)だ。20日ロッテ戦から始まった今季ワーストの8連敗をストップさせた主砲は「チームは負けていたけど、みんなポジティブな気持ちだったよ」と会心の笑顔だ。

 巧みな決勝打だった。2-2で迎えた8回無死二、三塁の場面。ロメロは日本ハム・トンキンの低めスライダーを拾った。打球がセンター前に弾み2者生還。「いいところにボールが来てしっかりと押し込めた」。直後に二盗、三盗と立て続けに決めチームを鼓舞し、9回には白村から左翼スタンド上段に豪快な3ランを突き刺した。

 チームが連敗地獄に陥ったが、夏に調子を上げている。前半戦は打率2割2分8厘、14本塁打、36打点だったが、球宴明けの後半戦12試合は打率3割1分3厘、4本塁打、9打点。球宴休みには家族3人で初めてディズニーランドを訪れ、リフレッシュした。最近は、おもちゃのバットで遊ぶ長男ライダー君(1歳8カ月)を見ることが楽しみ。「強いスイングをしてるよ。右打ちか左打ちか分からないけど」とパパの顔だ。

 来日2度目の登板となった先発ローチは大学時代に対戦経験がある。16年にはマリナーズでともにプレーした。練習中にも積極的に話しかけるなど先生役としても貢献する。「長かったですね」とようやく笑顔の福良監督も「本当にいい仕事」とロメロに最敬礼。頼れる大砲がチームの目を覚ました。【桝井聡】