今季、ソフトバンクのセットアッパーに成長した5年目の加治屋蓮投手が、自信回復の投球に笑顔を見せた。2点リードの7回2死二塁から4番手でマウンドへ。伏見を二ゴロに仕留めオリックスの反撃を断ちきると、続く8回も打者3人できっちり締めた。

 「長打に気をつけてボールが高くならないようにした」。直球に自慢のフォークを駆使し、チームトップの16ホールド目を手にした。

 傷心の2週間だった。7月22日の日本ハム戦(札幌ドーム)で同点の8回に勝ち越しを許す痛恨の2失点。プロ初黒星を喫した。試合後には涙ながらに「私生活から見直して頑張りたい」と唇をかみしめた。2日後の24日のロッテ戦(京セラドーム)では延長12回に井上に本塁打を許すなど2回6安打3失点。頭髪も丸刈りにし、心機一転を誓っていた。

 「9日前に不甲斐ない投球をして不安だったけど0点に抑えることができてよかった。一から見直すつもりでこの9日間やってきて意味あるものになってよかった」。この日は松田とともにヒーローのお立ち台に上がった。「これからもしっかりと勝ちを持ってこられるように頑張ります」。久々に笑顔がはじけた。