阪神糸井嘉男外野手(37)は4番にふさわしい働きを全うした。1回1死一、二塁では内海から一、二塁間を破り、続く5番ロサリオの先制満塁弾を演出。5回は、3番福留の適時二塁打に続いて中堅フェンス直撃の適時二塁打でリードを4点に広げた。試合後は「福留さんが勢いをつけてくれた。そういう、いい打者が前にいてくれているんでね」と先輩に感謝だ。

 5日ヤクルト戦では右肘に死球を受けたボールが股間に当たり、苦悶(くもん)の表情を浮かべて途中交代。右足腓骨(ひこつ)骨折も完治しないままだが、それでも当たり前のようにスタメンに名を連ねた。金本監督は手負いの状態で安打を重ねた主砲に「今日も2本打ってくれた。それも点につながりましたからね」と絶大なる信頼を寄せる。

 右足の患部はもちろん万全ではない状態。その証拠に、この日も8回裏の守備からベンチに退いた。指揮官は「守りが最後、足に疲れはあるみたい。ちょっと代えましたけどね」と説明。代えの利かない男の、おとこ気出場が今後も続く。【佐井陽介】